不倫は犯罪になる?日本の法律では「不法行為」として慰謝料請求の対象になる理由

配偶者に不倫をされた側からすれば、「こんなに人を傷つける行為が、なぜ犯罪にならないのか」と感じるのは自然なことです。配偶者に裏切られた側からすれば、不倫は決して軽い問題ではありません。夫婦の信頼を壊し、家庭や子ども、今後の生活にも大きな影響を与える行為です。
しかし、日本では、不倫そのものは刑法上の犯罪ではありません。不倫をしたという理由だけで逮捕されたり、刑務所に入ったりすることは通常ありません。
一方で、不倫が「法律上まったく問題のない行為」という意味でもありません。一般的に不倫と呼ばれる行為のうち、法律上問題になる「不貞な行為」は、民事上の不法行為として慰謝料請求や離婚原因になることがあります。この記事では、不倫が日本の法律でどのように扱われるのか、不倫が犯罪ではない理由、慰謝料請求との関係、そして海外での不倫の扱いについて解説します。
不倫は『犯罪』ではない
日本では、不倫そのものを処罰する刑法上の規定はありません。そのため、配偶者が不倫をしたとしても、それだけで警察が逮捕したり、刑事事件として処罰したりすることはありません。
犯罪として人を処罰するには、「どのような行為をしたら犯罪になるのか」「どのような刑罰を科すのか」が法律で定められている必要があります。現在の刑法には、不倫や不貞行為そのものを処罰する条文はありません。そのため、不倫は「刑事事件」ではなく、基本的には「民事上の問題」として扱われます。
ただし、ここで誤解してはいけないのは、不倫が犯罪ではないからといって、責任がないわけではないということです。不倫によって配偶者が精神的苦痛を受けた場合には、慰謝料請求の対象になることがあります。また、不貞な行為は、民法上、裁判上の離婚原因にもなります。
不倫はなぜ犯罪ではないのか
配偶者に不倫をされた側からすれば、「こんなに人を傷つける行為が、なぜ犯罪にならないのか」と感じるのは自然なことです。不倫は、夫婦間の信頼を壊し、家族関係や生活にも大きな影響を与える行為です。倫理的に見れば、決して軽い問題ではありません。
ただ、社会では「悪いこと」「人を深く傷つけること」であっても、すべてを犯罪として扱うわけではありません。
たとえば、嘘をつくこと、約束を破ること、家族を裏切ること、人を傷つける言葉を投げかけること。これらは道徳的には問題があっても、すべてを刑罰の対象にしてしまうと、私生活や人間関係の中に国家が深く入り込みすぎることになります。
不倫も同じです。不倫は、された側にとって重大な裏切りです。しかし、夫婦関係、感情、性的な問題、家庭内の事情は、とても私的で複雑な領域です。そこに警察や刑罰が入り込み、「誰とどのような関係を持ったのか」を国家が処罰の対象として判断することには、慎重であるべきだという考え方があります。
実際に、日本ではかつて姦通罪という犯罪がありました。しかし、戦後の刑法改正により、姦通罪は廃止されています。つまり、日本では、不倫を「国が刑罰で処罰する問題」として扱うのではなく、「道義上の問題」や「民法上の問題」として整理する方向がとられてきました。
警察ではなく、証拠と民事手続きで責任を問う
不倫は犯罪ではないため、基本的には警察に相談して相手を処罰してもらう問題ではありません。もちろん、不倫に関連して暴力、脅迫、ストーカー行為、住居侵入、名誉毀損など、別の犯罪行為がある場合は話が変わります。しかし、不倫そのものについては、警察が処罰するのではなく、当事者間の話し合い、弁護士を通じた交渉、調停や裁判といった民事手続きで整理していくことになります。
そのため、不倫問題でまず大切なのは、相手を責めることよりも、事実を確認することです。証拠が不十分なまま相手に問い詰めてしまうと、相手が警戒して証拠を消したり、不倫相手と口裏を合わせたりすることがあります。また、感情的な言動をしてしまうと、逆にこちらの言葉や行動を相手に利用される可能性もあります。
不倫は犯罪ではありません。だからこそ、感情だけで相手を動かそうとするのではなく、民事上の責任を問うための準備が必要になります。
海外では不倫が犯罪になる国もある
日本では、不倫そのものは犯罪ではありません。しかし、海外に目を向けると、不倫の扱いは国や地域によって大きく異なります。
たとえば、フィリピンでは、刑法上、姦通や内縁関係に関する規定があり、一定の場合には犯罪として扱われます。フィリピン改正刑法には、姦通に関する規定が置かれています。
また、インドネシアでは、婚外の性的関係や同棲が一定の場合に処罰対象となっています。ただし、誰でも自由に通報できるわけではなく、配偶者や親など、法律上限定された人による告訴が必要とされています。
一方で、台湾では、かつて姦通罪がありましたが、台湾の憲法裁判所が、姦通罪に関する刑罰規定を違憲と判断しました。判断の中では、性的自己決定やプライバシーへの侵害が重く見られています。
国際的にも、姦通を犯罪として扱うことについては、人権上の問題が指摘されています。国連人権高等弁務官事務所の女性差別に関する作業部会は、姦通を犯罪として処罰することは、プライバシー権や女性の権利の侵害につながると述べています。
さらに、イングランド・ウェールズでは、いわゆる「無過失離婚」の制度が導入され、離婚のために不倫など相手の責任を主張する必要がなくなりました。英国政府も、離婚時に相手を非難する必要をなくし、子どもや財産など実務的な問題に集中できるようにする改革だと説明しています。
このように、不倫を犯罪として扱う国もあれば、犯罪ではないだけでなく、離婚や財産分与の場面でも「誰が悪いか」を強く問題にしない制度を採用している地域もあります。つまり、不倫に対する法律上の扱いは、国によって大きく異なります。

不倫は犯罪ではないが、責任のない行為ではない
不倫は、日本の法律では犯罪ではありません。不倫をしたという理由だけで警察に逮捕されたり、刑事罰を受けたりすることは通常ありません。しかし、不倫が犯罪ではないからといって、悪くないという意味ではありません。
不倫は、配偶者を深く傷つけ、夫婦の信頼関係を壊し、家庭や生活に大きな影響を与える行為です。日本では、その責任を刑罰で問うのではなく、慰謝料請求や離婚原因といった民事上の問題として整理します。つまり、不倫は「犯罪ではないが、責任のない行為ではない」ということです。
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*本記事は、慰謝料請求について分かりやすく解説することを目的とした一般的な内容です。慰謝料請求や離婚、示談交渉を具体的に検討される場合は、弁護士などの専門家へご相談ください。

