浮気されたのに辛くない…それでも慰謝料請求はできる?精神的苦痛を感じにくい場合の考え方

配偶者の浮気や不倫が発覚したとき、「辛い」「悲しい」「許せない」と強く感じる方は多くいます。一方で、なかには「思ったほど傷ついていない」「涙が出ない」「もう感情が動かない」と感じる方もいます。
そのようなとき、「自分は精神的苦痛を受けていないのではないか」「傷ついていないなら慰謝料請求はできないのではないか」と不安になる方もいるかもしれません。しかし、浮気を知った直後に強い悲しみを感じなかったからといって、慰謝料請求を諦める必要があるとは限りません。
不貞行為による慰謝料請求では、精神的苦痛の程度も考慮されますが、それだけで判断されるものではありません。配偶者の不貞行為によって夫婦関係の平穏が侵害されたこと、そしてその事実を客観的に証明できるかどうかが重要になります。この記事では、浮気されても辛い・悲しいと感じにくい場合に、慰謝料請求はできるのか、精神的苦痛と不貞行為の関係について解説します。
浮気されたのに感情が動かないことはある
配偶者の浮気が発覚したとき、誰もがすぐに泣いたり、怒ったり、取り乱したりするわけではありません。なかには、事実を知っても不思議なくらい冷静でいられる方もいます。
- 「やっぱりそうだったんだ」
- 「もう驚かない」
- 「悲しいというより、ただ疲れた」
そのように感じる方もいます。しかし、それは本当に傷ついていないという意味ではありません。それまでに何度も不審な行動を見てきたり、嘘をつかれたり、冷たい態度を取られたりして、すでに心が疲れ切っている場合もあります。長い間、悲しい思いや不安を抱え続けてきたことで、いざ浮気がはっきりしても、感情がすぐに出てこないことがあります。
浮気を知った瞬間に、すぐに大きな悲しみを感じなかったとしても、「自分は傷ついていない」「慰謝料を請求するほどではない」と決めつける必要はありません。
慰謝料請求は「悲しみの大きさ」だけで決まるものではない
慰謝料という言葉から、「どれだけ悲しんだか」「どれだけ傷ついたか」を証明しなければならないと考える方もいます。もちろん、不倫や浮気によって受けた精神的苦痛は、慰謝料を考えるうえで重要な要素です。ただし、不貞行為による慰謝料請求は、単にその場でどれだけ泣いたか、怒ったか、落ち込んだかだけで判断されるものではありません。
法律上、慰謝料は不法行為によって受けた財産以外の損害、つまり精神的損害に対する賠償として位置づけられます。不貞行為については、婚姻共同生活の平和を侵害する行為として慰謝料請求の問題になると考えられています。最高裁判例でも、不貞行為が「婚姻共同生活の平和の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害する行為であるという考え方が示されています。
つまり、慰謝料請求で大切なのは、「自分が今どれだけ悲しいと感じているか」だけではありません。配偶者に不貞行為があったのか、その行為によって夫婦関係にどのような影響があったのか、そしてその事実を証明できるのかが重要になります。
感情が動かない事は、精神的苦痛が少ない事でなない
浮気された配偶者が、「自分はそこまで辛くない」「精神的苦痛が少ない気がする」と感じていたとしても、それだけで慰謝料請求が否定されるとは限りません。
たとえば、すでに夫婦関係に長く悩んでいた場合、浮気が発覚した瞬間に強い衝撃を受けないことがあります。また、配偶者の態度や行動から、以前から浮気を疑っていた場合もあります。その場合、浮気の証拠を見ても「やっぱり」という気持ちが先に来て、悲しみや怒りが後から出てくることもあります。
さらに、これまでに何度も傷つけられてきたことで、感情が麻痺している場合もあります。悲しい思いをし続けることは、とても苦しいことです。心がその苦しさに耐えるために、あえて感情を感じにくくしているような状態になることもあります。
そのため、その場ですぐに悲しいと感じなかったとしても、「私は傷ついていない」と判断するのは早い場合があります。後になってから、怒りや悲しみ、不安、喪失感が強く出てくることもあります。浮気や不倫の問題では、発覚直後よりも、少し時間が経って現実を理解したときに精神的な負担を強く感じる方も少なくありません。
「傷ついていないなら慰謝料は発生しない」という言葉を鵜呑みにしない
浮気をした配偶者や浮気相手から、
- 「離婚しないなら傷ついていない」
- 「悲しんでいないなら慰謝料は発生しない」
と言われることがあります。しかし、そのような言葉をそのまま信じる必要はありません。
慰謝料請求は、相手がどう言うかで決まるものではありません。重要なのは、不貞行為があったのか、その時点で婚姻関係がどうだったのか、その行為によって夫婦関係の平穏が侵害されたといえるのか、そしてそれを証明できる証拠があるのかです。
また、浮気をされた側がその場で冷静に振る舞っていたとしても、それだけで精神的苦痛がなかったことにはなりません。人前では平気なふりをしている方もいます。子どもの前では泣けない方もいます。仕事や家事、育児を止めるわけにはいかず、感情を押し殺して日常を続けている方もいます。
表面上は落ち着いて見えても、心の中では大きな負担を抱えていることがあります。だからこそ、「悲しそうに見えない」「普通に生活している」という理由だけで、自分の苦しみを軽く扱う必要はありません。
慰謝料請求で大切なのは、不貞行為を証明できる証拠
浮気や不倫の慰謝料請求で重要になるのは、不貞行為を客観的に証明できるかどうかです。どれだけ精神的につらい思いをしていても、相手が不貞行為を否定した場合、証拠がなければ請求が難しくなることがあります。
反対に、自分では「そこまで傷ついていない」と感じていたとしても、不貞行為の証拠があり、婚姻関係の平穏が侵害されたといえる事情があれば、慰謝料請求できる可能性があります。
ここで大切なのは、相手の言葉に振り回されないことです。浮気をした側は、責任を軽くするためにさまざまな主張をしてくることがあります。しかし、慰謝料請求において重要なのは、相手の言い分ではなく、客観的な事実です。
そのため、浮気や不倫が疑われる段階では、感情的に問い詰める前に、まず証拠を確保できるかどうかを考える必要があります。
悲しいと感じない自分を責める必要はない
浮気されたときに、悲しみや怒りがすぐに出てこないことで、自分を責めてしまう方もいます。
- 「本当に愛していなかったのだろうか…」
- 「自分は冷たいのだろうか…」
- 「もっと傷つくべきなのだろうか…」
そのように考えてしまう方もいます。しかし、浮気されたときの感じ方は人それぞれです。泣いてしまう方もいれば、怒りが先に出る方もいます。何も感じないように見える方もいます。冷静に手続きを進めようとする方もいます。
どの反応が正しい、間違っているというものではありません。特に、長い間つらい思いをしてきた方ほど、心が疲れ切ってしまい、感情が動きにくくなることがあります。その場で悲しいと感じなかったとしても、それはあなたが傷ついていないという意味ではありません。自分の感情を無理に決めつけず、まずは事実を整理することが大切です。

まとめ|すぐに悲しいと感じないからといって、慰謝料請求を諦める必要はない
配偶者に浮気されたとき、すぐに大きな悲しみや怒りが出てこないこともあります。しかし、それは本当に傷ついていないという意味ではなく、これまでの我慢や悲しみの積み重ねによって、感情が麻痺している場合もあります。また、その場では冷静でいられても、時間が経ってから精神的な負担を強く感じることもあります。
不貞行為による慰謝料請求では、精神的苦痛の程度も考慮されますが、「今すぐ悲しいと感じているか」だけで決まるものではありません。大切なのは、不貞行為の事実を客観的に証明できるかどうかです。
相手から「傷ついていないなら慰謝料は発生しない」「悲しんでいないなら請求できない」などと言われたとしても、それをそのまま鵜呑みにする必要はありません。まずは感情だけで判断せず、浮気の事実、証拠の有無、今後どうしたいのかを冷静に整理することが大切です。
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