配偶者の浮気発覚で「離婚したい!」と思った時に|4つの離婚方法と法定離婚事由

配偶者の浮気が発覚したとき、思わず「もう離婚してやる!」と思う方は少なくありません。その気持ちはとても自然です。裏切られたショックの中で、「これ以上一緒にいるのは無理だ」と感じることもあるでしょう。
ただ、離婚は「したい」と思ったその日に、気持ちだけで進むものではありません。実際には、どんな手続きで離婚を進めるのか、裁判で有利に進めるためには何が必要になるのかを知っておかないと、後で後悔することにもなりかねません。
特に、浮気を理由に離婚を考える場合は、感情だけで走るより、離婚の手続きの流れと裁判で離婚が認められる条件を知っておくことが大切です。この記事では、離婚の4つの手続き方法と、裁判離婚で問題になる法定離婚事由について、わかりやすく整理していきます。
まず知っておきたいのは、離婚には4つの手続き方法があるということ
離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚という4つの手続き方法があります。夫婦だけの話し合いで終わる場合もあれば、家庭裁判所が関わる段階まで進む場合もあります。
協議離婚とは何か
協議離婚は、夫婦で話し合って離婚に合意し、市区町村に離婚届を提出して成立する離婚です。裁判所を通さないので、4つの中ではいちばん身近で、多くの方が最初に思い浮かべる離婚の形だと思います。協議離婚では、離婚届に成年の証人2名の署名が必要です。
わかりやすく言えば、協議離婚は「夫婦の間で話がまとまればできる離婚」です。たとえば、
- 夫婦どちらも離婚することには同意している
- なるべく大ごとにしたくない
- できるだけ早く区切りをつけたい
という場合には、協議離婚で進むことがあります。ただし、ここで気をつけたいのは、離婚届を出せば全部終わり、ではない、ということです。離婚そのものに合意していても、
- 子どものことをどうするか
- 養育費をどうするか
- 財産分与をどうするか
- 慰謝料をどうするか
こうした条件をきちんと整理していないと、後から揉めることがあります。つまり、協議離婚は「簡単な離婚」というより、夫婦で必要なことをきちんと決められるなら、進めやすい離婚と考えた方が自然です。
調停離婚とは何か
調停離婚は、夫婦だけでは話し合いがまとまらない時に、家庭裁判所で話し合いを進めて成立する離婚です。
ここで行う話し合いの手続きのことを、離婚調停といいます。
そして、その離婚調停で話がまとまり、実際に離婚が成立したものが調停離婚です。
調停と聞くと、裁判のように白黒をつける場をイメージする方もいますが、そうではありません。家庭裁判所で、調停委員をはさみながら、離婚するかどうか、離婚するとしたらどのような条件にするのかを整理していく場です。話し合う内容は、離婚そのものだけではありません。たとえば、
- 親権をどうするか
- 養育費をどうするか
- 面会交流をどうするか
- 財産分与をどうするか
- 慰謝料をどうするか
といったことも、一緒に話し合うことができます。
わかりやすく言うと、調停離婚は、「夫婦だけでは話がこじれてしまうので、家庭裁判所の場を使って整理しながら進める離婚」です。たとえば、
- 相手が感情的になってしまい、夫婦だけでは話にならない
- 直接向き合うと毎回ケンカになってしまう
- 離婚するかどうかも含めて、今の状況を整理したい
- 条件面まできちんと決めながら進めたい
このような場合には、調停が現実的な方法になります。浮気が発覚した夫婦では、まさにこの形になることが少なくありません。「離婚したい」「いや離婚したくない」という気持ちのぶつかり合いだけでなく、怒りや不信感が強く、夫婦だけでは冷静に話し合いを進めにくいことが多いからです。
審判離婚とは何か
審判離婚は、少し分かりにくい部分です。ざっくり言えば、調停の中でほぼまとまっているのに、最後の細かいところで話が止まってしまったような場合に、家庭裁判所が一定の判断を示して離婚に至ることがあるものです。
ただ、実際にはそれほど多く使われるものではありません。離婚を考え始めた方が、最初から「審判離婚を考えよう」と意識する必要はあまりありません。
まずは協議離婚、まとまらなければ離婚調停、それでもだめなら裁判離婚、という流れを理解しておけば十分です。審判離婚は、その途中にある少し例外的な形、と考えると分かりやすいです。
裁判離婚とは何か
裁判離婚は、離婚調停でも話がまとまらなかった時に、裁判所に訴訟を起こして離婚を求める方法です。ここまで来ると、もう「私は離婚したいです」という気持ちだけでは足りません。法律上、裁判で離婚が認められる理由が必要になります。ここが、協議離婚や調停離婚との大きな違いです。
協議離婚や調停離婚は、基本的に夫婦の合意で進みます。それに対して裁判離婚は、相手が合意しなくても、法律上の条件を満たせば離婚が認められる可能性がある手続きです。ただし、その代わりに、裁判所に対して
- どういう理由で離婚を求めるのか
- その理由が法律上の離婚原因に当たるのか
- それを裏づける材料があるのか
を示していく必要があります。そして、離婚訴訟は原則として、その前に離婚調停を経る必要があります。つまり、普通は「いきなり裁判にする」のではなく、まず調停をして、それでもまとまらない場合に裁判へ進む、という流れになります。
浮気を理由に裁判まで考える場合は、ここで証拠が非常に重要になります。「どう考えても浮気していると思う」だけでは足りず、不貞行為があったことを支える材料が必要になるからです。裁判所の離婚訴訟案内でも、証拠となる書類の写しを提出することがあります。
法定離婚事由とは何か
裁判離婚では、単に「もう一緒にいたくない」「気持ちが冷めた」というだけでは足りません。民法770条1項で定められた、法定離婚事由が必要になります。そこには次の5つがあります。(民法770条1項)
- 配偶者に不貞な行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
初心者の方がまず押さえておきたいのは、裁判離婚では、このどれかに当てはまる必要がある、ということです。
浮気された側に一番関係が深いのは「不貞行為」です
このブログの読者の方にとって、いちばん関係が深いのは「配偶者に不貞な行為があったとき」でしょう。民法770条1項1号が、これを裁判上の離婚原因としています。
浮気や不倫があれば、ここに当てはまる可能性があります。ただし、裁判で問題になるのは、単に「怪しい」ではなく、本当に不貞行為があったと言えるかどうかです。ここで重要になるのが証拠です。
相手が認めてくれるなら話は早いですが、裁判になると、相手は否定することがあります。その時に支えるのは、感情ではなく証拠です。浮気が発覚して「離婚するかどうかはまだ決めていない」という段階の方でも、将来的に裁判の可能性が少しでもあるなら、不貞行為の立証を軽く見ない方がよいのです。
「悪意の遺棄」とは何か
悪意の遺棄という言葉は少し難しいですが、簡単に言うと、夫婦として果たすべき義務を、正当な理由なく放り出すことです。たとえば、
- 生活費を入れない
- 勝手に家を出て帰ってこない
- 家庭を顧みず、夫婦としての責任を果たさない
といったことが問題になります。浮気のケースでは、不倫相手の方に気持ちが向きすぎて、家庭にお金も気持ちも向けなくなるような場合に、この問題が関わってくることがあります。
「その他婚姻を継続し難い重大な事由」とは何か
これはかなり幅のある規定です。民法770条1項5号が、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」を離婚原因として定めています。簡単に言えば、夫婦としてやっていくのがもう難しいと言えるほど深刻な事情です。
たとえば、DV、長年の不和、重大な裏切り、夫婦関係の完全な破綻などがここで問題になることがあります。浮気そのものは通常、不貞行為として見ることが多いですが、事情によってはこの「婚姻を継続し難い重大な事由」とあわせて考えられることもあります。
シンプルに、どう理解すればいいのか
ここまでを、できるだけシンプルにまとめると、こうなります。
- 協議離婚
夫婦で話し合って合意できるなら進む離婚です。ただし、離婚後の条件まで曖昧にしないことが大切です。 - 調停離婚
夫婦だけでは話し合いがまとまらない時に、家庭裁判所で調停委員をはさんで話し合う離婚です。感情的になりやすい浮気案件では、ここに進むことが珍しくありません。 - 審判離婚
まずは強く意識しすぎなくて大丈夫です。初心者の段階では、「協議か、調停か、それでもだめなら裁判か」という理解で十分です。 - 裁判離婚
調停でも解決できない時に進む離婚です。ここまで行くと、法律上の離婚理由と証拠が超重要になります。

まとめ
配偶者の浮気が発覚すると、「もう離婚したい!」と思うのは自然なことです。離婚には4つの手続き方法があり、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚に分かれます。そして、裁判離婚まで進む場合は、法定離婚事由が必要になり、浮気された側にとっては特に「不貞行為」とその証拠が重要になります。
大切なのは、「離婚したい!」という気持ちだけで進むのではなく、どのような順番で進むのか、裁判になれば何が必要なのか、を知っておくことです。
みらい探偵社®︎では、離婚すると決めている方だけでなく、まだ迷っている段階のご相談も多くお受けしています。浮気発覚後、どう動けばいいのか分からない方は、まずはご相談ください。
*本記事は、離婚手続きや法定離婚事由に関する一般的な情報をまとめたものです。個別の事情によって、離婚の見通しや慰謝料請求の可否は異なります。具体的な判断については、専門の弁護士にご相談ください。
