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同棲中の浮気で慰謝料請求できる?婚約・事実婚の違いと証拠

ソファでくつろぐ同棲中のカップル
【この記事の結論】

入籍していなくても、婚約や事実婚(内縁関係)が成立していれば、同棲相手の浮気について慰謝料請求を検討できます。結婚の約束をした経緯や、夫婦として暮らしてきた実態が判断材料になります。二人の関係を示す資料と浮気の証拠を分けて確認し、請求できる立場なのかを考えていきましょう。

「籍を入れていないのだから、浮気されても慰謝料は請求できないのでは……」同棲中のパートナーに浮気をされた方からは、こうした相談があります。すでに結婚の約束をしている方もいれば、何年も夫婦同然の生活を送っている方もいます。それでも、婚姻届を出していないという理由で、法律上は何もできないと思っている方がいます。

実は「同棲」だけでは、二人の法的な関係は分かりません。付き合っている恋人同士なのか、結婚を約束した婚約者なのか、婚姻届を出さずに夫婦として暮らす事実婚なのかによって、浮気に対する慰謝料請求の考え方が変わります。この記事では、それぞれの違いと、婚約・事実婚を示す資料、浮気の証拠、今後の対応について解説します。

目次

同棲中の浮気は、婚姻届の有無だけで判断できない

同じ部屋で生活していても、二人の関係にはさまざまな段階があります。法的な判断で中心になるのは、単に一緒に暮らした期間ではなく、将来結婚する約束が成立していたのか、すでに夫婦として生活する意思と実態があったのかという点です。

二人の状況慰謝料請求を考える際のポイント
結婚の約束をしていない恋人同士同棲中の浮気だけを理由とする請求は原則として難しい
「いつか結婚したい」と話していた将来の希望なのか、二人の間で結婚の約束が成立していたのかを確認する
プロポーズを受け、婚約していた婚約の成立と、浮気や婚約破棄に至った事情が判断材料になる
親への結婚の挨拶を済ませ、入籍前だった挨拶の内容、両家顔合わせ、入籍日の決定などが婚約を裏づける材料になる
婚姻届を出さず、夫婦として暮らしていた事実婚・内縁関係の成立と、不貞行為の証拠を確認する

例えば、交際相手と3年間同棲していても、二人が将来の結婚を約束していないことはあります。一方、同棲期間が短くても、プロポーズを受けて両家に結婚を報告し、入籍日まで決めている場合は、婚約の成立を示す事情がそろっています。

婚約については当事者間の結婚に向けた真摯な合意、内縁関係については夫婦として生活する意思と実態をもとに、客観的事情を総合して判断されます。

結婚前提の同棲と婚約の違い

「結婚を前提に同棲している」という言葉は、日常会話ではよく使われます。その内容は、将来そうなればいいと考えている段階から、具体的な結婚の約束を交わした段階まで幅があります。

「いつか結婚しよう」と婚約の違い

「仕事が落ち着いたら結婚しよう」「いつか一緒になれたらいいね」と話していても、それが具体的な婚約の合意だったのか、将来の希望を共有していただけなのかは、会話の内容やその後の行動によって変わります。

婚約は、将来結婚することについて二人が真摯に合意すれば、口頭でも成立し得ます。指輪や結納、結婚式場の予約は必須条件ではありません。もっとも、浮気が発覚した後に相手から「結婚の約束はしていない」と否定された場合、二人が何を約束していたのかを示す資料が役立ちます。

親に結婚の挨拶をしていた場合

親への挨拶も、内容によって意味が変わります。「交際相手として紹介した」のか、「結婚することになりました」と二人で報告したのかでは、受け取られ方が違います。

両家顔合わせ、入籍予定日の相談、式場の下見や予約、新居の契約などが進んでいれば、婚約を裏づける事情になります。結納や結婚式をしていないという理由だけで、婚約を否定する必要はありません。

婚約していたことを示す資料

婚約の成立を確認する際は、二人の合意と結婚準備の経緯を時系列で見ていきます。

  • 「結婚しよう」「○月に入籍しよう」など、結婚の合意が分かるLINEやメッセージ
  • プロポーズや婚約指輪に関する写真・購入記録
  • 双方の親へ結婚を報告した際の連絡や写真
  • 両家顔合わせ、結納、結婚式に関する記録
  • 式場の見積書・予約書、招待状の準備
  • 入籍予定日を相談したメッセージや予定表
  • 結婚を前提とした新居の契約、転居や退職の経緯

一つの書類ですべてが決まるわけではありません。いつ結婚の話をし、何を約束し、その後にどのような準備を進めたのか。後から振り返れる記録があると、二人の関係を説明しやすくなります。

関連記事: 婚約者の浮気を疑ったら:結婚前に確認したいことと冷静な対処法

長年の同棲は事実婚・内縁関係に当たるのか

「もう10年近く一緒に暮らしているから、事実婚だと思っていた」「親戚や職場には夫婦として紹介していた」。このような場合は、婚約とは別に、事実婚・内縁関係が成立しているかを考えます。

事実婚は、夫婦としての意思と共同生活の実態で判断する

事実婚・内縁とは、婚姻届を出していなくても、夫婦として生活する意思を持ち、実際に夫婦として共同生活を送っている関係です。同棲期間は判断材料の一つですが、「○年以上住めば事実婚」という法律上の一律の基準はありません。二人の意思に加えて、生活費の負担、周囲への説明、扶養関係など、実際の生活を総合して見ます。

例えば、一緒に暮らしているだけで家計は別々、周囲にも恋人として紹介している二人と、婚姻届を出さないことを二人で選び、夫婦として家族や職場に認識され、生活を共に支えてきた二人では、事情が異なります。

事実婚・内縁関係を示す資料

  • 夫婦として暮らすことに合意したと分かるメッセージや文書
  • 互いを「夫」「妻」として家族・親族・職場・知人に紹介した記録
  • 二人の住民票や賃貸借契約書など、共同生活を示す資料
  • 家賃、光熱費、生活費などを共同で負担してきた記録
  • 健康保険や勤務先の制度で、未届の配偶者として扱われていた資料
  • 子どもの養育や親族との付き合いなど、家族としての生活を示す記録
  • 婚姻届を出さない理由について二人で話し合った記録

浮気が発覚してから相手が「夫婦のつもりはなかった」と言い出した場合も、これまでの言動や生活の資料を確認する意味があります。

住民票の「夫(未届)」「妻(未届)」という記載

住民票の「世帯主との続柄」に、「夫(未届)」「妻(未届)」と記載されることがあります。 婚姻届を提出していない内縁の夫婦について用いられる続柄の表記です。内縁関係の二人が住民票上同じ世帯になることができ、その続柄を「夫(未届)」「妻(未届)」と記載することがあります。また、内縁関係の状況によっては「同居人」と記載される場合もあります。

「夫(未届)」「妻(未届)」という記載は、二人が夫婦として暮らしてきたことを説明するうえで役立つ資料です。一方、この記載があるだけで事実婚の成立が確定するわけではなく、記載がないから事実婚ではないと決まるわけでもありません。 夫婦としての意思や家計、家族・周囲からの認識などと合わせて判断します。

住民票の写しを確認するときは、「世帯主との続柄」が省略されていないものが参考になります。単に同じ住所に住んでいることと、住民票上の続柄に何と記載されているかは別の情報です。

婚約・事実婚で浮気された場合の慰謝料請求

婚姻届が出されていない二人でも、法的な保護を受ける関係が成立していれば、浮気に伴う慰謝料請求を検討できます。ここでは婚約と事実婚を分けて説明します。

婚約中の浮気と婚約破棄

婚約中に相手が別の人と性的関係を持ち、それが原因で婚約を破棄されたり、婚約を解消せざるを得なくなったりした場合には、損害賠償請求が問題になります。

婚約をしていたことに加え、浮気の内容、関係が壊れた経緯、結婚準備のために負担した費用などが判断材料になります。婚約中に浮気したという事実だけで慰謝料の支払いが自動的に決まるわけではありません。婚約の成立と、浮気や婚約破棄によってどのような損害が生じたかを確認することになります。

事実婚・内縁関係における不貞行為

事実婚・内縁関係が成立している場合は、法律上の夫婦に準じた保護が認められることがあります。不貞行為によって共同生活の平穏が侵害された場合や、関係が不当に解消された場合には、慰謝料請求を検討できます。

また、内縁関係の解消をめぐって話し合いがまとまらない場合、家庭裁判所の「内縁関係調整調停」を利用でき、解消に伴う財産分与や慰謝料についても一緒に話し合えます。

浮気相手に慰謝料を請求する場合

パートナー本人に対する請求と、浮気相手に対する請求は、分けて考える必要があります。浮気相手への請求では、その人が婚約・内縁関係の存在を知っていたか、知り得たか、どのような行為があったかなども問題になります。婚約や事実婚の関係を示す資料があっても、それだけで浮気相手への請求が認められるわけではありません。請求先や証拠の十分さについては、早い段階で弁護士に確認するとよいでしょう。

同棲中の浮気で確認したいことと証拠の集め方

同棲していると、外出や帰宅の時間、生活習慣など、相手の変化に気づく機会があります。その違和感は調査日を考える手掛かりになりますが、慰謝料を請求する際には、「二人の関係を示す証拠」と「浮気を示す証拠」の両方を区別して考える必要があります。

日常生活に現れる浮気の兆候

  • 帰宅時間や外泊の回数が以前と変わった
  • 仕事や友人との予定について説明が曖昧になった
  • 化粧、髭剃り、香水、下着など身だしなみが変わった
  • スマートフォンを以前より隠すようになった
  • 家計や共有の支払いに、説明のつかない出費が増えた
  • 二人で過ごす時間や夫婦生活、スキンシップが変わった
  • 特定の曜日だけ帰宅が遅い、連絡が取れない時間がある

気になったことは日付と一緒に残します。「浮気した」と決めつけて記録するのではなく、実際に見たこと、聞いたこと、まだ分からないことを分けると、後から確認しやすくなります。

婚約・事実婚の証拠と、不貞の証拠は別に必要

例えば、婚約指輪や両家顔合わせの写真は、婚約の成立を示す資料になります。一方、パートナーと浮気相手がホテルに出入りした日時や滞在時間などは、不貞行為を裏づける資料として役立ちます。

同棲していることや婚約していることが分かるだけでは、実際に浮気した事実は分かりません。反対に、異性と親しくしている写真があっても、婚約や事実婚が成立していたかという問題は残ります。

浮気調査で確認する内容

探偵の浮気調査では、対象者が誰と合流し、どこへ移動し、ホテルや相手の住居などにどの程度滞在したかを確認します。調査報告書には、撮影した写真と行動の記録を時系列でまとめます。

婚約中や事実婚の関係で不貞の証拠を検討する場合は、結婚の約束や共同生活の状況も合わせて伝えると、調査で何を確認する必要があるのか考えやすくなります。みらい探偵社®︎では、バイク・車・徒歩を組み合わせた行動調査に対応しています。

関連記事: 浮気調査の内容
調査報告書の内容とサンプル

同棲中の浮気が分かった後の対応

浮気が確認できても、すぐに同棲を解消する人ばかりではありません。結婚を取りやめるか、関係を続けるか、慰謝料を請求するか。今後の方針によって準備することも変わります。

慰謝料を請求したい場合

婚約の成立を示す記録、事実婚としての生活を示す資料、不貞行為の証拠を分けて保管し、弁護士に相談します。婚約中の場合は、婚約が破棄された経緯や結婚準備に伴う支出、事実婚の場合は共同生活の実態と不貞による影響を具体的に伝えるとよいでしょう。

不法行為に基づく損害賠償請求では、原則として「損害及び加害者を知った時から3年」「不法行為の時から20年」という消滅時効があります(民法724条)。請求を検討しているなら、時間を置かず法律相談を進めることが大切です。

同棲を解消する場合

一緒に暮らしていると、住居や生活費の問題も残ります。賃貸借契約の名義、敷金、家具・家電の購入費、共有口座、立替金などを確認しておくと、解消に向けた話し合いを進めやすくなります。

事実婚に当たる場合は、関係解消に伴う財産分与が問題になることもあります。住まいを離れる前に、契約書や支払記録など手元にある資料を整理しておくとよいでしょう。

関係を続ける場合

浮気の事実が分かったからといって、その場で結婚や同棲の解消を決める必要はありません。これからも二人で暮らすのか、結婚の予定を見直すのか、一定期間別居するのか。婚約や事実婚という法的な関係と、今後の生活をどうしたいかは、それぞれ考えることができます。

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同棲中の浮気でも慰謝料請求できる場合があります

同棲中の浮気についてよくある質問

入籍していなくても、同棲相手の浮気で慰謝料を請求できますか?

婚約や事実婚(内縁関係)が成立している場合は、入籍していなくても慰謝料請求を検討できます。 婚約中は、浮気が原因で婚約が破棄されるなど、相手の行為によって損害が生じた経緯が問題になります。事実婚では、不貞行為によって夫婦としての共同生活の平穏が侵害されたかなどを確認します。まずは二人の関係を示す資料を揃えましょう。

結婚の約束をして同棲していました。婚約していた証拠になりますか?

二人の間に具体的な結婚の約束があれば、婚約が成立していた可能性があります。プロポーズ、婚約指輪、親への結婚の挨拶、両家顔合わせ、入籍日の相談、結婚を約束したLINEのやり取りなどが資料になります。指輪や結納は婚約成立の必須条件ではありません。二人がどのような約束を交わし、結婚準備を進めていたかを確認します。

長年同棲しています。事実婚と認められるには、どのような証拠が必要ですか?

事実婚は、同棲年数だけで決まるものではありません。夫婦として生活する意思があったことと、共同生活の実態を示す資料が判断材料です。住民票の「夫(未届)」「妻(未届)」という続柄、家計を共同で管理した記録、未届の配偶者としての扶養関係、周囲へ夫婦として紹介していた記録などを確認します。続柄が「同居人」の場合も、それだけで事実婚の可能性がなくなるわけではありません。

まとめ:同棲中の浮気は、婚約・事実婚の成立と証拠を確認する

同じように一緒に暮らしていても、二人が単に交際していたのか、結婚の約束を交わしていたのか、すでに夫婦として生活していたのかによって、浮気に対する法的な扱いは変わります。

特に、婚姻届を出していないことだけを理由に、慰謝料請求はできないと考えている方は、これまでの二人の約束や生活を振り返ってみてください。親への結婚の挨拶、入籍日の相談、住民票の続柄、家計の管理などが、関係を示す資料になります。

まず確認したいのは、婚約または事実婚に当たる関係だったのか、そして浮気についてどのような証拠があるのかという二つの点です。 それぞれの資料を整理し、今後の請求や生活の方針を考える際に役立ててください。

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